シンクロニシティ 法医昆虫学捜査官

法医昆虫学捜査官シリーズ2作目。さて、今回も冒頭解剖シーンの虫描写は、グロい、グロいよ 。立ち会う刑事たちのステレオタイプな気持ち悪がり方は、解剖シーンのあるサスペンス物のお約束なのか。


しかし、ウジってのはそんなに細い隙間から入り込むものなのか。ズボン靴下に入れて何重にも服を着て、その上からもテープ貼ったりしないとすぐ入り込むとの記述あり。

今回、岩楯の相棒を務める若手の月縞は、早々に洗礼を受け、解剖後に自分のズボンをまくってジタバタする事になる。

ただこの月縞くんはなかなか肝が座っていて、ハエとウジがたかる腐乱死体遺棄現場で、現場保護のため20分も締め切った部屋で死体とともに警察を待つ根性がある。

そのおかげもあり、今回も法医昆虫学者の赤堀涼子は大活躍。死体遺棄現場そばで、あらゆるものを巣に運ぶクロナガアリを見つけ、そこから今回の重要なヒントになるトンボの抜け殻を見つける。

本作は彼ら警察と昆虫学者のトリオとともに、人形造形師の藪木の2場面構成でストーリーが進んでいく。人嫌いで田舎に移り住みんだと言いながら、隣のおばあさんに優しかったり、近所のお節介主婦に寝起きを叩き起こされても、面倒臭がりながらもちゃんと対応する藪木は、なんだかとってもいいヤツじゃないか。

ちょっとキャラクターたちが漫画じみていて、都合よく物事が進みすぎ、セリフが芝居染みたきらいはある。

しかし、物語への小物の取り入れ方が上手く、今回のキーワードである特殊なトンボはもちろん、クライマックスで赤堀を救ってくれてるあの巨大多足種の昆虫達、臓器移植との絡みや、地方の空き家活用促進運動、若い警官の成長物語としても楽しめる。

香川照之の「昆虫すごいぜ!」も話題の昨今 、虫に対する世間の関心は高まる一方なのか?!笑。明るく軽く読める昆虫法医学系サスペンスて事で、人気なのが納得のシリーズだ。

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