ムーチョ・モージョ

こりゃ痛快でクセがあって面白い!!口が悪くて乱暴者だが、女子供と年寄りにゃ弱い白人のハップと黒人のルナードの名コンビ。

 白人と黒人の名コンビ。私のイメージだと白人が無茶をして、黒人がそれをフォローするってのが王道なんだけど、なんの作品の影響だろう。リーサルウェポンやダイハードの何作目かだろうか。

 本作はどちらかというと黒人のルナードの方が無茶をして、白人のハップがそれを諌めるイメージ。突っ走ろうとするルナードにハップが「オイオイ冷静になれよ」とか言いながら、最終的には一緒に大暴れするんだけどね。

 下品だけど面白いとの前評判を聞いて読んだが、思ってたほど下品じゃなかった。私の品性の問題か?笑。下品というか、今の世の中だと放送とか出版禁止用語になりそうな言葉が多いよね。でも、ごく頻繁に下ネタがよく混じる彼らの会話はとても粋で心地よい。

 あるときルナードの叔父さんが亡くなり、叔父さんの家で遺品の整理をしていた二人は恐ろしいものを見つける。それは児童ポルノ誌で包まれた子供の骸骨だった。

 下品で野蛮な彼らだが、その思考は非常にニュートラルで偏向思考がない。キレイ好きで、友達を大切にするし、女子供と年寄りは守るべきもんだと思ってる。そりゃ好感もてますよ。どう見てもいいヤツらだ。

 ルナードは黒人のゲイ。白人のハップは40才過ぎでバラ園の臨時職員、貧乏だ。世の中の主流を歩いているわけじゃない彼らだが、家族や友人を大切にすることと、働くことが大切なことは知っている。

 この本にはこないだ読んだヒルビリーのことや、人の心に染み付いてしまった差別についての話も出てくる。美人の黒人弁護士に惚れてしまったハップの恋の行方を含めて、最後まで飽きさせずにグイグイ読ませる。

 読む本を物色していると、時々読者にとても愛されている本に出会う。この本もそうだろう。本好きの人たちに愛されるのがよくわかるコンビだ。ミーモウ婆さんが言ったセリフが非常に的確だ。「あんたたち、本当にいい黒白コンビだよ」。私もこの二人、大好きだ!!

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