御子柴くんの甘味と捜査

最近読んだ本を見返してみたら、大量殺人、人種差別、恐怖の考察、セクハラと暴力。そんな世界のキワみたいなところばかり読んでどうするんだ自分!この本が良い箸休めになりました。箸休めと言うには、大量の甘味が出てくるけれども。

以下は本書に出てくる甘味のほんの一部である。上田名産「雷電くるみ餅」。善行寺名物つるや「酒饅頭」。小布施 松仙堂「純栗ペースト」。旧軽銀座 cafe Restaurant Paomu「軽井沢プリン」。中山「あんずジャム」。柏倉製菓「花豆赤飯」。伊那 越後屋菓子店「まゆ」。開運堂「開運老松」。信州名物縄文おやき。飯田屋「あめせんべい」。甘味以外の番外編で「南信州ビール」(旨い!)と「信州味噌ピッツア」

主人公の御子柴 将 刑事は、長野県警から警視庁捜査共助課へ出向中。度を越した甘党で警視庁捜査一課主任の玉森 剛。長野県警、警視庁両方のお偉方や同僚から甘味を要求される日々。

上田市郊外で見つかった、身元不明の死体遺棄事件。小布施郊外の農家の土蔵破り事件。スーパーマーケット社長を狙った、白昼の強盗殺人事件。記憶喪失の男をめぐる詐欺事件。新興宗教団体の起こした拉致監禁・暴行致死事件。箸休めと言いながらも、殺伐とした事件はいくつも起きる。

しかし嫌だ嫌だと言いながら、気が利いてしまうばっかりに、何かと巻き込まれてしまう主人公、御子柴くん。頭ばかりでかくて、ひょろっとした体つきから、もやしとあだ名される、甘いものが好きすぎる玉森主任。飄々としていつつ、いつも遠くから事件の重大ヒントをくれる、御子柴くんの長野時代の上司、小林警部補。慌て者やおっちょこちょいの同僚や後輩たち。それぞれがいい味をだして、重くなりすぎない軽やかな読み口。

著者の長野(の食べ物?笑)愛がいたるところにちりばめられ、甘党でない自分でもあれも食べたい、それも食べたいと、備忘を兼ねて本レビューを書く始末。世界のキワを覗いてばかりいないで、とりあえず長野に行って甘いもの食べて、南信州ビールで信州味噌ピッツア食べよう!!

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