ずば抜けて頭が良く、何にでも関心を持ち、自由奔放で口の悪いおじさん。
著者は元マイクロソフト日本法人の社長で、投資コンサルティング会社を持ち、ノンフィクション系の書評サイトHONZ(私はよくここで読みたい本を見つける)の代表。
SNSでこの人を見るとサイの動画、災害情報、日大アメフト事件、最新科学技術、将棋の藤井聡太七段、ドローン、北朝鮮とICBM。気が散っている・・・。
著者は、自分に発達障害傾向があるとして、それを障害ではなく、武器として生きている。
発達障害は最近よく話題になるが、本作ではマイナスイメージではなく、これからの時代は、発達障害の性質こそ必要とされると述べている。
興味のある物事には、人並み以上の集中力を発揮する、極端な「過集中」。
新規性のあるものに興味を惹かれて、同時進行でいくつもの物事を行う「多動性」。
良いことも悪いこともすぐ忘れて、失敗してもクヨクヨせず、成功しても満足しない「鈍感力」。
発達障害がどうこうだけでなく、どうやって、自分の特性に合わせて仕事選んだり、家庭を築いたりして、生きていくのかという話かなと。
人は誰だって肯定されたいし、自分の長所を伸ばして生きていくほうが、前向きではないか。なにせこの著者の人生は、いつも非常に楽しそうだ。
「ADHDはもし矯正しなくて済むものなら、矯正しないほうが幸せに生きられる」。この場合のADHDは様々な別のものに置き換え可能なのかもしれない。