起業の天才!: 江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男

起業の天才!: 江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男
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リクルート事件があった当時は10歳だった。事件の概要はもちろん理解できないがリクルートと江副という人の名前をよほどTVが繰り返し唱えていたのだろう。なんとなく覚えている。TVニュースで騒ぎになる会社とその経営者。詳細はわからなくとも悪いものとして頭にインプットされたであろうその名前を、10年以上後に自分が使うサービスを提供する会社として耳にするのだと聞かせたら幼い私は驚いただろうか。

 

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ジョン王

ジョン王
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考えてみれば当たり前のことではあるが、戯曲というのは人の会話だけで物語を進行するので、読み物として読むとどいつもこいつも、まあよく喋る。みーんな俺が俺がいやいや私がってのばっかりでキャラクターの見分けがつかない。

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動物農場

動物農場
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最近ダーウィン事変という漫画を読んでいて、この漫画幼い頃に読まなくて良かったなと思ったのである。なにせ 「風の谷のナウシカ」を見て人間など滅べばいいのにと思うタイプの子どもだった。今のSDGs全盛の世ならますます面倒なことを言い出しそうである。

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兄の終い

兄の終い
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読み終わってひと休みしてから、まず私は風呂場の鏡のウロコ汚れを磨き落とし、夕飯で使った食器を洗い、銀行口座の残高を確かめた。

なるほど人が急に死ぬということは、ことほど左様にあれこれがつまびらかになり予想外のお金がかかるものなのか。そうだろうとは思っていたが実際のところを読むとなかなかに厳しい。

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流星ひとつ

流星ひとつ
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「流星ひとつ」とは言い得て妙であった。沢木耕太郎にとっては藤圭子は流星だったのか。鮮やかで、明るく、強く、跡を残して消えていく。

優れたインタビューというものはどういうものだろうか。本人も知らないその人を引き出すようなものだろうか。現役の歌手だったころを知らないので、私にとって藤圭子の知識は、あの宇多田ヒカルの母親でたいそう歌がうまかったらしいことと、晩年難しい状況であったらしいということだけだ。

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右大臣実朝

右大臣実朝 岩波
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去年一年大河ドラマの「鎌倉殿の13人」を大変楽しんでみていた。そして、いくら史実とはいえ三谷幸喜は何と鬼のような脚本家なのかと思っていたのである。繰り返される裏切りと粛清。展開もこれまた下げる前に必ずといっていいほど上げてから急降下させるので余計に観ている方のダメージが増す。

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黒き荒野の果て

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時代は変わったなと思ったのである。
避けられぬこととはいえ悪事に手を染めた登場人物は最後には命を落とし、それが物語のカタストロフィと共に締めの役割を果たす。私にとって少し前の正統派の物語のお約束とはそうしたものだった。

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