人生の達人て、こういう人なのかな。面白いことも、楽しいことも、難しいことも、辛いことも、すべて自分のものとして味わい尽くす人。
著者は、アメリカ空軍テスト・パイロット学校をトップで卒業し、カナダ人として初めて、国際宇宙センター船長を務め、その時、宇宙で撮影した写真や動画をインターネットに投稿し、世界的な話題を呼んだ。
デヴィッド・ボウイの「スペース・オディティ」の替え歌を歌った動画は、公開から3日で1000万回の視聴数を超えたらしい。
「成功とは、発射台に行き着くのかどうかもわからない、先の見えない長い旅のあいだずっと、自分の仕事に満足していられることだ」
もしエルトン・ジョンがたまたま地方の航空ショーの宣伝をしてくれることになり、エルトン・ジョンが実は隠れ宇宙マニアでどこかからギタリストの宇宙飛行士がいると聞いて、自分を舞台に引っ張り上げて何フレーズかセッションしようということになった時のために「ロケット・マン」の弾き方を覚え、練習をしようと思えるような人。
こないだ「火星の人」の文中で言われてた「宇宙飛行士はたいてい頭がいかれている。そして実に気高い。」が実にピンとくるエピソードだ。
宇宙飛行士の生き方は真似は出来なくても、人生を満喫するための道しるべをもらうような本だ。