コーデリア・グレイって、どこのアイドルかと思った。名前が可愛い、顔も可愛い(らしい)。おまけに賢い。
以前読んだ、検視官シリーズを思い出した。あまり環境に恵まれなかったバージョンの、スカーペッタの若い頃って感じかしら。
若さゆえの正直で無垢な残酷さと、作中のイギリスの陰鬱な気配は、よく似合う。急に、共同経営者を亡くした後、コーデリアは、自殺した大学生の調査依頼を受ける。
いなくなった共同経営者の教えを守りながら、登場人物達が振りまく謎を解き、自らも危険に晒されながら、真相に迫っていく。
ミステリーとして、伏線の回収やそれぞれの背景も細かく描かれ、ページ数はそれほど多くないのに、とても巧みな小説だと思う。ただ、なかなかに暗いので、著者の他の作品を読むかは迷うところ。