二面性あるねぇ。昼あんどんてほどのんきではなくて、マジメさゆえに融通が効かなくて損するタイプ。主人公の話である。ワイオミング州の新米猟区管理官ジョー・ピケット。
姑が天敵という噂を聞いて、海外版 必殺仕事人みたいな?と思いながら読んでみたら、この婿殿いったんスイッチが入るとわりとキレッキレだった。
『ある日裏庭で娘と見つけた死体は、かつて彼の銃を奪おうとした密猟者だった。次いでキャンプ場にも2人の死体が……。』
猟区管理官ね、刑事じゃないんだねとその辺も大体で読み始めたが、怪しいやつしか出てこない笑。そしておおかたの予想はほぼ合っている。だから、そこが焦点ではないのである。
チラリチラリと語られる彼の生育環境や親兄弟の性格は彼の二面性の伏線ということなのか。心の中に獣飼ってるんだね。終盤の覚醒後はなかなかの野獣っぷりである。
天然ヤングパパのおとぼけ捜査かと思いきや、そんなゆるい話でなく、起こる事件は結構容赦ない。その人そんな目に遭うの⁉︎そりゃパパ覚醒しちゃうよと思いながらも猟区管理官、銃持ってる密猟者を取り締まるんだからキレる面もないとねと納得。
ピーナッツ親子かと思いきや、実はしっかり夫を愛して信じてる奥さんが言う夫への信頼の言葉は、彼の優しさも心に飼ってる野獣もわかってのことなのか。
いつもはちょっと間抜けなお父さんが、実は(動くものなら)射撃の名手で家族の危機にはバイオレンスも辞さない男に変わる。この裏切られ感はわりと好きだぞ。続編を楽しもう。
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