今さらだが、手に入れる機会があったもので読んでみた。面白いだろうことは分かりきってるのだが、やはり面白いのだ。
映画になり、アニメになり、大人気の作品だったので、既読の人も多いことだろう。
読書中、馬締氏は完全に松田龍平で読んでしまったな。香具矢 役は宮崎あおいか。も少し切れ長系美形さんでも良かった気もするけど、猫を可愛がるのは似合いそうな人だな。加藤剛さんは何役だったのだろう。
本作は、三浦しおんのお仕事シリーズの中の1作ということになるのだろうか。
この人のお仕事シリーズは、(いい意味で)マンガ並みの読みやすさでありながら、綿密な取材に基づいた展開が繰り広げられるので、面白いのだ。
辞書の編集。興味あるわ〜。どういう人が、どういう方法で、どれくらいの時間をかけて、作っているのか。
なるほど熱意と根気と思い入れがなければできない仕事ですね。短期的に儲かるかどうかという視点では、とても作ることができない。でも興味深いわ〜、2回言っちゃった。
整理が好きな人は向いてるって。ジャンル分けと、必要に応じた分量への調整。過不足のない適切な言葉の選択。世代を選ばない柔軟性。
「右」を言葉で説明するのって難しいねぇ。「左じゃない方」では、確かに芸がないもんねえ。
辞書の、世代と人の種類を選ばないという性質は、しおんさんお得意の、悪人が出てこず、出てくる人がみんないい味を出すというストーリー展開にピッタリだ。
出てくる人々は、おじいさんおばさあさんもも、おじさんもおばさんも、お兄さんもお姉さんも、なんなら猫も、それぞれがそれぞれの持ち場で輝いている。
この人は、キャラクターありきで、取材が綿密なのか、取材能力ありきで、キャラクターがイキイキしてるのか、どちらだろう。いつも本当に不思議に思う。
しかも、あとがきを読むと、取材中はメモを極力取らないらしい。取材対象の表情を見ることを大切にしているからだそうだ。だから取材が終わった後でブワーっと覚えていることを書き出すらしい。
知識とともに感覚を大切にする。だからキャラクターが生きて面白いのだろうな。あゝ、面白かった!
この本は、出版されたときから知っていましたが、ブログを拝見して「読んでみようかな!」という気になり、早速購入しました。
未読の本がかなり溜まっているので、暫くは ”積ん読” 状態になると思いますが ・・・ 。
言い訳になっちゃいますが、高齢になると集中力が続かないので、本を1冊読むのに時間がかかるんです。
(読書に関しては、若いときからだったかな~?)
コメントありがとうございます。
この本は読みやすいので、結構サクサク読めちゃうと思いますよ〜
春先に読むのにピッタリな柔らかさと、若者が育っていく明るさを感じる良い本でした。