聖の青春

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人間に公平に与えられているのは時間だけであり、肉体・環境などはことごとく不公平なものである。そのことに気づかなければ不公平が無かったことになるなら、気づいてしまうことこそ不幸なことである。しかし限られた不公平な状況の中でこれほど命を燃やす人がいるとなるとどうなのだろう。もしかすると「人間は公平でない」という概念は、ヒトが手に入れた中で最も不幸で最も重要なものなのかもしれない。

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小川洋子と読む 内田百閒アンソロジー

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内田百閒の小説には名前を説明されないものがたくさん出てくる。ある人はそれを恋と呼ぶかもしれない。恐怖と呼ぶかもしれないし、郷愁と呼ぶかもしれない。もしくはなんらかの病と呼ぶかもしれない。

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羆撃ち

羆撃ち
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羆がヒトを食べまくる恐ろしい小説をよく読んでいるが、実際の羆の主食はもちろんヒトではない。主にドングリだのコクワの実だのヤマブドウだの何百個食べたらそのデカイ身体を維持できるのですか?という小さい山の幸を食べているのである。都合、追いかける羆猟師は山の自然環境に精通する必要がある。

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昨日がなければ明日もない

昨日がなければ明日もない
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相変わらず人間界のモンスターとばっかり付き合ってるなあという印象の主人公である。大小織り交ぜたモンスターのコレクションでもしてるのかねという印象であるが、今回のテーマは結婚だろうか。

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命売ります

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前半と終盤でガラリと主人公の風合いが変わったな。自殺に失敗した主人公 羽仁男は新聞の求職欄に広告を出した「命売ります。お好きな目的にお使い下さい。当方、二十七歳男子。秘密は一切守り、決してこの迷惑はおかけしません」

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【 再読 】ミャンマーの柳生一族

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ミャンマーという国がどうも気になる。全くもって縁もゆかりもないのだがニュースや読み物があるとつい見たり読んだりしている。西原理恵子氏のミャンマーでの僧侶体験漫画を読んだのがきっかけだったか、この本の作者の納豆ルポがきっかけだったか。食事が美味しいらしく住まう人々が穏やかで人間味に溢れ、しかしどこか変わった人が多いというイメージである。自分の読む本に偏りがあるため実際とは異なる可能性が高そうであるが。

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蜜蜂と遠雷

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天才のインフレなのである。あ、いい意味です。天才ってのは小説の場合ひとつの作品に1人出てくれば上々なもので、なんなら必ずしも出てこなくても物語は成立する(漫画の場合はまた別である)。それ以上出てくるとそれこそ飽和状態になって誰が何の天才なのかよくわからなくなる。

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大本営が震えた日

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第二次大戦の開始直前、日本の軍事機密を持った人物が乗った飛行機が行方をくらませた。練りに練られた軍事機密が敵国に漏れたらどうなるのか。西野カナとか言ってる場合じゃなくて、大本営はどれほどガタガタのブルッブルに震えたことだろう。吉村昭氏は短く簡潔でありながらそれでなくてはならないタイトルをつける人だと思っていた。本作は他と少し違うがなんともパンチのあるタイトルについ読んでしまったのである。

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