若きマケドニア王アレキサンドロス三世(のちの通称アレキサンダー大王)と、同世代の陽気な仲間たちは、イケイケどんどん。若さゆえの?勇敢さと無鉄砲さで、グイグイ東へ進んでいく。
イッソスの会戦では、速攻を主とした戦法で、アケメネス朝ペルシア王ダリウス三世から、大きな勝利をもぎとる。勝った後には、確実に国々を領土にし、配下を広げていく。
歴史に名を残す人たちは、時間についてどう考えていたのだろう。勝つためには、待たなければいけない事も、急がなければいけない事もある。
若年期に、スパルタ人によるいわゆるスパルタ教育を受けたり、アリストテレスによる英才教育がなされたにせよ、アレキサンドロスの余りの成長の早さに、人はこんなに急激に進化するものなのかと、驚嘆を禁じ得ない。
ダイヤの切っ先として、常に戦場を先頭で走り、急激に成長して、生涯を完全燃焼して終えた感のあるこの人が、ハンニバルやカエサル、スキピオやナポレオンなど、後の歴史上の人物から、英雄とみなされるのも当然の事なのだろう。
塩野七生さんの歴史エッセイは、これにておしまいだそうだ。寂しいけれど、まだ未読の作品が沢山あるので、それを楽しみにしていこう。
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