amazon 世界最先端の戦略がわかる

   あまり特定の企業の本を何冊も読むことはないのに、なぜAmazonの本を何冊も読んでしまうのかわかった。Amazonの世界征服でもするんじゃないかという多様な事業、ジェフ・ベゾスの悪の帝王感、倉庫でロボ使うだの配送にドローン使うだののメカ感に、私の厨二心がくすぐられるからだ。

   あの興味本位なおじさん、成毛氏がAmazonの本を書いて売れているらしいと知って気になっていた。そう言えばこの人が興味持ってるものも、いつもどこか少し厨二心がありませんかね。

   成毛氏はAmazonをローマ帝国や江戸幕府のようだと言う。創業者でありCEOのジェフ・ベゾスはAmazonを「ロジスティクス(兵站)企業」だと言い、歴史上、兵站を重視して勢力を拡大したのがローマ帝国だからだ。

   AmazonはCCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル:仕入れた商品を販売し、何日間で現金化されるかを示したもの。小さければ現金を回収できるサイクルが短く、手元にキャッシュを長い時間持つことができる)を最小化するために、物流へ絶え間なく投資をし、兵站線の充実に力を注ぐことで、巨大な経済圏を構築していると述べられている。

   またローマ帝国は地方分権が確立され、ゆるやかな統治形態をとっているところもAmazonと似ていると成毛氏は言う。

   Amazonは各事業ごとに独立し、利益を追求している。それぞれの事業部は別の事業部が何をしているか知らないことも多いとある。事業によっては対立企業を顧客にして取引したりする。NetflixがAWS使ってるとかね。

   江戸幕府は各藩に統治を任せ、一国一城の主という権限を与えながらも、参勤交代であくまでも徳川幕府の1藩という自覚を与えた。最小限のコストで広いエリアを支配する地方自治制をとったところがAmazonに共通するところがあると述べられる。

   何だか最近いろんなところで、これからの世の中は自立分散型だよ、みたいな話を読む気がする。お金2.0とか粘菌の本とか笑。

  本書に出てくる数える気にもならないほど大量に出てくるAmazonの事業たちは、巨大な帝国を作り上げ世界を席巻している。

   AmazonのAIスピーカーアレクサが売れている。アレクサってもしやアレクサンダー大王からとったんじゃと思って調べたら、アレクサンドリア図書館を連想させるから採用されたなんて話もあるらしい。あながち間違えてないのか。

   アレクサンダー大王がトルコ、中東、中央アジアを次々と征服し、ついにはインドに至るまでの大帝国を築きあげたように、Amazonも事業、国境を越えた巨大な帝国を築こうとしている。ジェフ・ベゾスは稀代の英雄なのか、既存の社会をぶち壊す悪の帝王なのか。

   アレキサンダー大王はローマ人じゃないけど、塩野七生さんのローマ人の物語が読みたくなってきた。長いけど1から読むかな。もしかするとAmazonの謎をとくヒントがあるかもしれない。

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