プーレーミーアームー!
飛行機のプレミアム席に乗りたいとダダをこね、ジタバタするタング。
ダメだ。可愛い、かわいすぎる。誰かと、この可愛さを分かち合いたい。
両親が事故で亡くなってから、獣医になるための勉強を中断し、家で何もせず過ごしていたベン。弁護士の妻、エイミーはそんなベンに苛立ち、夫婦の関係は崩壊寸前だった。
そんなある時、ベンは家の庭先にレトロな形状のロボットがいるのを見つけた。
タングと名づけられたロボットは、作中に存在する高性能のアンドロイドと機能は程遠かったが、ベンは他のロボットにはない何かに惹きつけられる。
このロボットはなんのために作られたのか。ベンは、無職で時間があるのをいいことに、タングの作り主を探す旅行に出ることにした。
ベンがね〜、ダメな男でね〜。そりゃ奥さんに見放されるわ。仕事もせんと、庭先に現れたポンコツ(っぽい)ロボットを構ってばかりで、家事もせず。
作り主を捜す旅行でも、段取りが悪くて悪くて、飛行機の乗り継ぎも上手くできないし、ボロッボロのホテルに行き当たりばったりに泊まって、散々な目にあったり。
それでも、タングと一緒に旅をして、言うことを聞かないタングに振り回られたり、1人ホテルに置いていったタングがパニックになって、ヒドイことしちゃったなと反省したりしているうちに、徐々にベンは変わって行く。
何せタングが可愛いからね。クライスラーのダッチ・チャージャーに乗って「ワイルドで行こう!」をキャーキャー言いながら、ノリノリで聞いたり。
日本で地下鉄に乗って、駅に停車するたびに流れる到着メロディーに、足をぶらぶらさせながら大喜びしたり。
こんな可愛いロボットがいたら、そりゃ、ベンの父性だって目覚めちゃうよね。
実はずっと、両親の死から立ち直れていなかったベン。自分ですることを決めたタングの作り主を捜すという旅を通して、やっと自分を振り返り、妻との関係も見直すことができるようになる。
旅を終えて帰ってきてからは、また、一波乱。
エイミーの妊娠に関わるあれこれで、タングがまさかの大活躍。まさか二人の父親候補よりもタングが、エイミーに必要とされる存在になるとは。
ベンもタングもお互いを通して成長し、大切なものに気がつけて良かったね。
ダメダメ夫とポンコツロボットのロードノベルは、かけがえのない家族を見つけるためのものでした。