こんちき号北極探検記 ホッキョクグマを求めて3000キロ

暑過ぎて、酒飲みたちが北極探検する本を優先的に読んでしまった。気分だけだが、結構涼しくなった。

下手と下手ウマでの間で言うと、どう見ても下手寄りに見える絵で綴られる、北極探検記。

なんでこれがシロクマに見えるのかわからない、ミミズの、のたうったような線。が、ちゃんと母シロクマと子シロクマに見えるのだ。

画材は、鉛筆3本、色鉛筆1本、シャープペン1本、シャープペンの芯1箱、ボールペン2本、スケッチブック4冊、携帯用の絵の具だけ。しかも途中でシャープペン落としてる。

しかし、なんだかクセになる本だ。

〇シロクマ・アザラシを食べたいのだがの図

〇〈シロクマ劇場〉
第一場:2アザラシを追うもの1アザラシも得ずの巻
第二場:母子シロクマあやうしの巻

どれも、おもわず3回ずつくらい読んで、眺めてしまった。

 

旭山動物園で長く飼育員をして、「あらしのよるに」のアニメじゃなくて、絵本の方の、絵を描いた人か。

アニメ作る人たちは、よくこの絵から、あの可愛らしいアニメのキャラクターをデフォルメしたな。

なぜ世界の辺境や異境を旅する人たちは、大酒飲みが多いのか。どうして、旅を始める前に酒が足りるのかどうかの心配をするのか。

持っていった酒を飲み切った著者たち一行に、美人でヘビースモーカーのコックや、真面目な船長は、隠し酒を提供してくれる。

それも飲み切ると、独自のルートを使って酒を仕入れてくれる店長。できる男だ。本当にしょうがない。でもまあ、現地の酒を楽しむのも旅のうちですからね。

「今度行くときは連れてって」、日本に帰ってから言われた著者は思う。「今度」はないのだ。二度目は予想がつくので、感動が半減する。「探検」は初めてがよい。

酷暑の今夏に、北極の自然と、探検の自由な風を感じるような本だった。でも、少し酒臭い風かもしれないけどね。

 

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