死ぬこと以外かすり傷

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最近何かと話題の編集者である。いや、むしろ編集者とはなんなのかと考えさせられる人である。幻冬社の社員として「多動力」「お金2.0」「日本再興戦略」「メモの魔力」など多くのベストセラーを世に送り出している。


会社員としての仕事以外に、自らオンラインサロン「箕輪編集室」を主催し、利用者であるクリエイターの卵たちは月額5940円を支払いながら交流したり、企業のコルサルテイングやプロデュースをしている(著者のこちらでの収入は会社員としての収入の20倍くらいあるらしい)。

果てはセルフプロデュースとか言って音楽やったり、フェスとか企画運営している様子。途中からちょっと何言ってるのかわからない感じになってくるが、自らという編集者そのものをブランド化して、編集者の名前で本が売れるようにするというのがこの人のひとつの戦略である様子。

なんだか胡散臭い人だなという印象だった。著者がというより、著者を大好きだとツイッターでつぶやく人々の熱狂ぶりに、宗教みたいだなと思っていたのだ。ご本人も自覚があるようで、ムーブメントを作り出すためには教祖(的)になる必要があるというようなことを作中で言っている。

確かによく売れる本を編集する人なのだ。ビジネス本をそんなに読まない自分でもいくつか読んだことのある本がある。この本にしても読んでしまっている以上、まんまと彼の術中にハマってしまっているのだろう。

編集者としてどうこうというよりも、編集という手段を使って、自らの成長のため突き進んでいる人というイメージだ。各界の変人や天才と会って交流することで自らを成長させる。商品のストーリーを自ら作り出すことでプロデュース能力を磨く。人々が何に関心を持っているかということに常にアンテナを張り、敏感であろうとする。

やりたいことのためには手段を選ばないなあ。初めから労働時間は度外視のハードワーク。会社員としてのメリットがあるなら、その地位を維持したまま副業(という規模ではないが)をする。風呂敷を広げる時はデッカく、ハッタリと大口で自分を追い込む。

内容的には同じことが4回くらいずつ書いてあるし、タイトルはそれでいいのか?とか、熱量と勢いはものすごく感じるが文章が大雑把過ぎないか?とかいろいろ言いたくなってしまうが、やはり流行りを生み出す人は勢いがある。

ともかく売れる本を作る人であるのは間違えない。本も商品である以上、売れなければ業界は回らない。どこに進んでいくのかは全くわからないが、是非ともこの勢いのままで突き進んでほしい。

本好きを自認しながら、さほど多くの本を買うわけでもない出版業界に非協力的な本読みである私は、口を開けてぽかんと彼の行く末を見るしかないのだ。

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