死の舞踏: 恐怖についての10章

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比較的季節感を大事にしたいと思っている。6/30が和菓子の水無月を食べて無病息災を願う日だと思えば和菓子屋を探すし、蝉が鳴き出して夏が本番に近づいてきたなと思えば怖い話が読みたくなる。

 

好きな作家の1人であるスティーヴン・キングが恐怖について語った本だというのでこの季節にピッタリではないかと読むことにしたが。この本アレだ。その道のオタクの人が自分の推し事に対して語る時の早口で饒舌な口上を聞くような本だ。

 

キングおじさんが自分の好きなホラーについて立板に水の様相で、余すところなくベラベラベラベラ語り続けている。ほっといたら2日でも3日でも話し続けそうだ。

 

自らの恐怖感について語るために、あの映画、この本、あの寓話というふうに話を引用、解説しながらあっちこっちに話が飛びまくり文章の中にお得意の(それは〜だからね)と独り言じみた解説が入る

 

「恐怖は秩序が瓦解する、物事が崩壊するという感覚が広がることで呼び起こされる。この崩壊の感覚が唐突かつ個人的なものに思える場合、その前後の状況まで含めて細大もらさず記憶に留まる。」確かに本当に恐ろしい思いをした時は妙にはっきりとその時の気配や匂い、風景の色合いを思い出すことができる。戦慄と恐怖感と嫌悪感の関係性もしかり。

 

流石、ホラーの帝王はそのことばっかり考えてるためか考察が深い。深すぎて、本当によく喋るなこの人と引き笑いしながら読んだ恐怖マニアの恐怖に関する考察本であった。

 

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