ストリート・キッズ

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私にはちょっと野蛮を好むところがある。現実的でありたいという気持ちもあるし、ロマンに憧れる気持ちもある。ユーモアだって忘れたくないし、明るい未来を夢見ることも諦めたくない。

 

そんなわがままで矛盾して気が散った要望に答えてくれる作家がドン・ウィンズロウである。

 

面白い!評判高いニール・ケアリーシリーズの第一作である。これほど好みだとは思わなかった。きっとそれなりに、いやおそらく絶対好きだろうとは好みの合う読友さんたちの感想で予想してはいたが、予想をはるかに上回った。

 

終始痺れる展開である。ジャンキーで娼婦の母親に育てられたニール・ケアリー。ある男の財布をすったことをきっかけに、プロの探偵にイロハを叩き込まれ、ある組織で仕事をすることになる。

 

この作家の語り口は(ないし、この翻訳家の訳は)常々何かを彷彿とさせると思っていたが、今回講談師の講釈のようだと感じていることに気がついた。

 

ハードでエネルギッシュで、かつロマンティックでユーモアのある内容。ラストまで目を離せない展開。綺麗なだけの話では決してないが、非情なだけでも終わらない絶妙なバランス(近年の「犬の力」シリーズなどは非情にかなり寄ったものではあるが)。

 

英語はからっきしなのだが現書で読むとどんな風なのか気になってきた。何をどう訳すとあの粋な文章になるのだろう。学生の時以来に辞書と首っぴきにして読んでみようかしら。そんな気になってしまう。

 

予定通りキャーキャー言いながら読む大変魅力的な読書となったのであった。蛇足であるが装丁に関しては、私は以前の表紙の方が好きだな。

 

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