死刑にいたる病

読むのに時間がかからない本とかかる本というのがある。時間がかからない本は読む前の大方の予想を裏切らずストーリーが進むもの。時間がかかる本は新たな発見や新鮮な驚きをくれるものである。

 

この本読みやすかったな。あらすじかなと思うくらいタイトルの通りなのである。サイコパスが過ぎて死刑に至るシリアルキラーに周囲の人がエライこと振り回されて酷い目に遭う話である。

 

しかしいくらなんでも、ちょっと意外性がなさすぎたな。予想をことごとく裏切らないもんな。あれでしょ、サディストでエゴイストで人をコントロールすることに強い快楽を感じるタイプの犯人に、普通の人が徐々に飲み込まれていっちゃうんでしょ。

 

サイコパスは人の弱味を嗅ぎ分けるのが上手いんだよね。的確に狙うべき人間に対象を定めて、嘘と本当を織り交ぜながら人を騙してコントロールするんだよね。そして加害者は被害者で、被害者は加害者なんだよね。歪な家庭環境は歪な人格を生み出しやすくなると。

 

本の特徴としての読みやすさを長所として否定するものでは決してないが、自分はそれよりもは新しい発見や感じたことのない空気を感じたいので正直少し物足りなかった。若い頃にシリアルキラーの本読みすぎたのか知らないが、特に新しい話も書いてなかったし。 

 

悪に飲み込まれちゃう系の話ならスティーブン・キングのゴールデンボーイが恐ろしかったな。ヤベーヤツには面白半分に近づいてはいけない、絶対!と強く思ったものである。

 

それはそうと冒頭のモノローグは結局は誰のものだったんだ?読み飛ばしてしまったかな、よくわからなかった。

 

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