作中で起こるなかなかにヘビーな出来事を、ページををめくる手が止められない感じに仕上げるのがうまい女性作家というのが一定数いると思う。その筋の人だ。
長めの本の合間に読むには重くなく、サラリサラリと読めるので悪くなかった。女性ならではのグロさと残酷と興味本位。この本については 、それに驚きもついてきた。なかなかのどんでん返しであった。
女性が女性ならではの酷い目に遭っている。そして男性の登場人物はクズ目が多い。作中の女性たちの受難はなかなかに重い。それでも読みやすいのは、これまた女性ならではのしぶとさというか、人の不幸まで読み物の娯楽にしてしまう業の深さというか。
母というものについての話なのだろうが、これでまともに母親というものについて考えたり、子どもの本当の幸せとは、などと考えるのは無粋なように思う。
あ、なるほどねー。それ、なかなかスゴイっすね、で終わる感想で良いのではないだろうか。
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