肉弾

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流れ星 銀にエヴァンゲリオンのシンジくんを合流させたような本である。久しぶりの羆小説。しかし装丁はなぜか犬。どういうことなのかと思ったらそういうことであった。

 

複雑な家庭環境で育った青年はバイタリティあふれる父親にコンプレックスを抱いて育った。引きこもりになっていたところを父親に促され狩猟免許を取り、北海道に鹿を撃ちに行くことになる。

 

他の羆小説に比べれば残酷度はわりと低いように思う(いやグロいはグロいがシャトゥーンに比べれば全然だ)。ただ寄生虫的なことや伝染病的な意味合いで登場人物がちょっと心配だ。あの子ちゃんと抗生物質飲んだかしら。

 

羆小説はたいていの場合、孤軍奮闘して戦うか、味方がいても最終的には羆との一対一に追い込まれることが多い。そういう意味では本作は仲間がいて良かったね。

 

羆嵐ほどのリアリティはなく、シャトゥーンほど派手でもない。ファントム・ピークスほど巧みでなく、デンデラほどは荒唐無稽でない。がしかし羆小説でまさかの若者の成長物語。羆小説は幅広いものなのである。

 

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