冬の犬

勝手な印象であるが犬を男性性、猫に女性性を象徴をするイメージを持っている。

 

本書から強い男性性に満ちた印象を受ける。精力が強いことを生命力の証しとし、生殖を生きることそのものとみなす。家畜動物の繁殖、人間が家族を増やし子孫を継いでいくための生殖。

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騙し絵の牙

ご多分に洩れず大泉洋を大好きな私としては、彼を当て書きした小説があると知っては読まないわけにはいかないのである。彼が言いそうなフレーズがバンバン飛び出しファンにしてみれば脳内再生が非常に容易い。作者はよほど大泉洋を分析したのだろう。

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読み口はあくまでも軽やかであり、いっそクセが少ないとすら言える。クセのある人はたくさん出てくるし、主題も軽いものでないのに重たさ感じないのは、この本が人でなく人が繋がる流れを主体にしているからか。

 

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そしてミランダを殺す

面白い!この本がミステリーとしてとても上質でありつつどこか痛快さも兼ね備えているのは、一見か弱い女たちが財力があったり力強いはずの男たちをいいように手のひらで操りに操りまくっているからだ。まあ、この女たちのたくましさに比べ、男たちの情けないことよ。 続きを読む