動物農場

動物農場
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最近ダーウィン事変という漫画を読んでいて、この漫画幼い頃に読まなくて良かったなと思ったのである。なにせ 「風の谷のナウシカ」を見て人間など滅べばいいのにと思うタイプの子どもだった。今のSDGs全盛の世ならますます面倒なことを言い出しそうである。

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兄の終い

兄の終い
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読み終わってひと休みしてから、まず私は風呂場の鏡のウロコ汚れを磨き落とし、夕飯で使った食器を洗い、銀行口座の残高を確かめた。

なるほど人が急に死ぬということは、ことほど左様にあれこれがつまびらかになり予想外のお金がかかるものなのか。そうだろうとは思っていたが実際のところを読むとなかなかに厳しい。

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流星ひとつ

流星ひとつ
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「流星ひとつ」とは言い得て妙であった。沢木耕太郎にとっては藤圭子は流星だったのか。鮮やかで、明るく、強く、跡を残して消えていく。

優れたインタビューというものはどういうものだろうか。本人も知らないその人を引き出すようなものだろうか。現役の歌手だったころを知らないので、私にとって藤圭子の知識は、あの宇多田ヒカルの母親でたいそう歌がうまかったらしいことと、晩年難しい状況であったらしいということだけだ。

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右大臣実朝

右大臣実朝 岩波
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去年一年大河ドラマの「鎌倉殿の13人」を大変楽しんでみていた。そして、いくら史実とはいえ三谷幸喜は何と鬼のような脚本家なのかと思っていたのである。繰り返される裏切りと粛清。展開もこれまた下げる前に必ずといっていいほど上げてから急降下させるので余計に観ている方のダメージが増す。

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黒き荒野の果て

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時代は変わったなと思ったのである。
避けられぬこととはいえ悪事に手を染めた登場人物は最後には命を落とし、それが物語のカタストロフィと共に締めの役割を果たす。私にとって少し前の正統派の物語のお約束とはそうしたものだった。

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嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか

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上質なミステリーもしくは硬派なハードボイルドでも読んでるような読み心地で大変に面白かった。落合博満 元中日監督を題材にしたノンフィクションである。著者はNumber編集部を経てフリーになった鈴木忠平氏。

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エリザベス女王-史上最長・最強のイギリス君主

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私の読書傾向のひとつに、強い推しについて語る人のものを好むというところがある。強い推しを持つ人たちの長期間にわたる観察や到底そこまでは思いつかないという深い考察(時によっては妄想)について話を聞くように本を読むのが好きなのだ。

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地獄変・偸盗

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なぜなのかよくわからないが最近「藪」という字が気になって「藪」と言えば『藪の中』ということで読むことにした。先日『蜘蛛の巣城』で弓矢に射られまくる三船敏郎を何かで見て、黒澤映画の三船敏郎を見たのもきっかけかもしれない(『羅生門』は芥川龍之介の『藪の中』が原作。)

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