ギケイキ:千年の流転

最近、歴代の徳川将軍を思い出すときは、めっきりよしながふみの『大奥』で思い出すようになっている私だが、こんな本を読んでいると源義経や武蔵坊弁慶について思うときも町田康の義経で思い出すようになってしまう。

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復讐するは我にあり

  溢れ出る昭和臭と松本清張感。違う。松本清張や佐木隆三がこの時代の空気を切り取るのが上手かったのだ。もっとも、松本清張の古い因習やしがらみを舞台に描く虚構の事件と、佐木隆三が主観を述べず、事実を積み上げて描く実際の事件をモデルにした小説は正反対のものであるけれど。

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任侠病院

  まいどお馴染み任侠シリーズ。3作目の舞台は病院。心配性で苦労性のヤクザ、日村。今回も組長の気まぐれ文化活動熱に振り回され、病院の再建に挑むことになる。さらに今回は地域からの暴力団排斥の動きで、阿岐本組も立ち退き運動の渦中に晒される。悩める日村の行方はいかに。

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この世の春 上

   宮部みゆきさんの作品、各種媒体での連載中は読まないので、いつも純粋な気持ちで単行本を読みます。最近、未読のものを読むと、さーて、この本はどのジャンルだ?推理系、現代ファンタジー系、史実系時代物か?はたまたそれらの複合型か?!と考えるようになってしまった。

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