最近、歴代の徳川将軍を思い出すときは、めっきりよしながふみの『大奥』で思い出すようになっている私だが、こんな本を読んでいると源義経や武蔵坊弁慶について思うときも町田康の義経で思い出すようになってしまう。
続きを読む「91 日本文学」カテゴリーアーカイブ
返信
ねこのばば
某グルメレポーター的に言えば、この物語は不思議なお話の宝石箱なのである。妖が人を、人が妖を、人が人を、妖が妖を大切にする気持ちが宝物のように詰まっている。
復讐するは我にあり
溢れ出る昭和臭と松本清張感。違う。松本清張や佐木隆三がこの時代の空気を切り取るのが上手かったのだ。もっとも、松本清張の古い因習やしがらみを舞台に描く虚構の事件と、佐木隆三が主観を述べず、事実を積み上げて描く実際の事件をモデルにした小説は正反対のものであるけれど。
焼肉ドラゴン
ああ、苦手だ。この、いることもいらないことも何もかもが過剰な人々。すぐ喧嘩して取っ組み合いになったり、怒って怒鳴り散らしたり、興奮して泣いたり、喜んで歌ったり踊ったり。
あとは野となれ大和撫子
任侠病院
まいどお馴染み任侠シリーズ。3作目の舞台は病院。心配性で苦労性のヤクザ、日村。今回も組長の気まぐれ文化活動熱に振り回され、病院の再建に挑むことになる。さらに今回は地域からの暴力団排斥の動きで、阿岐本組も立ち退き運動の渦中に晒される。悩める日村の行方はいかに。
秋の花
人が死なないミステリーシリーズで初めて人が死ぬ話。そしてシリーズ初の長編。という話になると、今までの登場人物だとちょっとゆるいというか、もう少しキレがほしかったな。
この世の春 上
慎治
これは少年の戦いと成長の物語だ。同級生からいじめられ、自殺すら考えていた慎治は、教師の古池やその仲間の大人たちから戦い方を教わる。それは力を使う方法だけでなく、自分の世界を広げるという戦い方。