グレート・ギャツビー

キザな言い方をすれば、これは富という太陽に魅せられたイカロスの話なのだ。

先日、グレート・ギャツビーを雑に引き合いに出したので、フィッツジェラルドか村上春樹に怒られる(笑)と思い再読。ほとんど内容覚えてなかったので、こんなに喜劇、悲劇、サスペンスのあふれる面白い小説だったかと驚いた。

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これほど昏い場所に

「円熟した厨二」などと矛盾したことを思いつつ読了。政府や財界の中枢による陰謀論。マインドコントロール。ナノテクノロジー。シンギュラリティ。最新テクノロジーを使った悪事やその操作手法で描かれるスリラー小説。


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マクソーリーの素敵な酒場

1930年代以降にかけてニューヨークを舞台に、市井の人々の人生を記者のジョゼフ・ミッチェルが切り取るそれぞれの一代記。軽い気持ちでアメリカの古い酒場のことが書いてあるのかなと手に取ったら、ニューヨークの市井の人々半端ないっす。パンチのある人ばかりが、ぞろぞろ出てきた。

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ボグ・チャイルド

  成長期の少年には長距離走がよく似合う。そう思ってしまうのはアラン・シリトーの「長距離走者の孤独」や吉田秋生の「カリフォルニア物語」を思い出すからだろうか。長距離走はいつ終わるともしれない長い距離を一歩ずつ進んでいくしかない。その地道でもどかしい歩みが、成長期の葛藤や矛盾ととてもよく似合うと思うのだ。

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