恥辱

ふーむ、ノーベル文学賞ってこういう本がとるのか。文章的には難しくないが、多様な価値観を持つことの難しさが問われる本だ。自分自身の持つ醜さ。命と向き合うことの残酷さ。生きていく覚悟。直視するのはなかなか厳しい。

52歳の大学教授、デヴィッド・ラウリーは2度の離婚を経験後、娼婦や手近や女性で自分の欲望をうまく処理してきた。だが、軽い気持ちから関係を持った女生徒に告発され、人生が暗転する。 続きを読む

ナイトホークス〈下〉

私は、特に暗所恐怖も閉所恐怖もない方だと思うが、得体のしれない暗闇を、出てくる敵の陰に怯えながら進まなければならないのは、人の体験の中でもっとも恐ろしい恐怖のひとつだろうことはわかる。


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青空のむこう

訳者の名前を、何処かで見たことあると思ったら、前に読んだ「真景累ヶ淵」の現代児童書版書いた人か。「豚の死なない日」の翻訳もこの人らしい。

翻訳本も自著も多くて、児童書界の有名人なんだな。おまけに娘は「蛇にピアス」の金原ひとみなのね。飲み屋で人に教えてもらった本だが、本の世界は面白くつながるものだ。

 
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女には向かない職業

コーデリア・グレイって、どこのアイドルかと思った。名前が可愛い、顔も可愛い(らしい)。おまけに賢い。

 

以前読んだ、検視官シリーズを思い出した。あまり環境に恵まれなかったバージョンの、スカーペッタの若い頃って感じかしら。

 
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火星の人

 

なんかおかしいなと思ったら下巻から読んでた。気を取り直して上巻から読み直したらコメディなのかこの話は笑。SF読んで声出して笑うと思わなかった。映画「オデッセイ」の原作。火星に一人取り残された宇宙飛行士のサバイバルストーリー。映画は見てないけどもっと悲壮な孤独感とかが漂っているのかと思っていた。

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歓喜の島

一部ネタバレを含みます。

「犬の力」からのファンです。ドン・ウィンズロウ。今回は少し遡ってみた。
アメリカとソ連がとても仲が悪くて、お互いの弱みを握ろうとしてばかりいた頃の話(ソ連は無くなったけど今もか?笑)。CIAの工作員だったウォルターは 続きを読む